
今日もまた、パンとチーズの美味しい関係についておはなししようと思います。
わたしは、パンのこともチーズのこともたくさんを知っているわけではありませんが、パンとチーズがどんなに美味しいかを語らせれば、紙芝居のおじいさんくらいのうっとりな語りでおはなしできる自信があります。
たぶんわたしがチーズとパンの組み合わせを本当に美味しいと思い、その美しいハーモニーに心ゆくまで耽溺したのは、2000年の秋のことでした。
ニューヨークのとあるビルの、1階部分のカフェでの出来事です。
同じビル内の上層階にあった病院で健康診断みたいなものを受けるためにそこにいたのですが、用事を済ませてやっとお昼ごはんという時に、疲れていたのやら面倒くさいのやらで、手っ取り早く1階にあるカフェでお昼ごはんすることにしたのです。
そしてわたしは、なんだかもう何が欲しいのやらよく分からなかったから、ベジタリアンメニューみたいなとこから、わけもわからない名前のものをオーダーしました。
デリ方式のお店だったから、ショーケース付きのカウンター前で、向こう側の店員さんに「これとあれ、ください。」と頼むような感じで。
わたしが頼んだサンドウィッチは、白い粉を吹いた白っぽい色のバゲットに、オリーブオイルを薄く塗った上にトマトのスライスとバジル、なにやらもにもにとした感じの白いかたまりがたくさん入ってました。
なんだかわかんないけど、わかんなくても食べれるくらいにおなかが減ってたし(前日の夜8時くらいから絶食だったから。)、ひどく疲れいたし、でも実際にひとくちかじってみたら、もうやまらないくらいに盲目的に食べれる美味しさでした。
もぐもぐ、はみはみしながら、わたしの心はトランスしてしまってました。
あまりに惚けてしまってて、その時のことはあんまりよく覚えていないのだけど、こんなに美味しいパンは今まで食べた事ないって思ったことと、あの白いもにもにしたものが何かはわからないけど、わたしは白いもにもにが大好き、って強く思ったことだけは今でもよく覚えています。
さて、アメリカ暮らしも長くなり、なんとなく洋食に慣れてきたかなぁという頃にわたしはまた、その時のサンドウィッチのおさらいをしました。
そしてこれがわたしの予想。
そのサンドウィッチは多分、「Caprese(カプレーゼ)」という名前がついてたはずで、パンはチャバッタのような風合いの、少し柔らかな表面に気泡が多くて弾力のあるバゲット、白いもにもには「Brie(ブリー)」と呼ばれるカマンベールみたいな柔らかいかびチーズだったんだろうなって。
そして上の写真が、ちょうどその時に食べたようなサンドウィッチ。
昨日のお昼ごはんでした。
パンはちょっと古くなったものを使ったから、その分、味は少し落ちたけれど、やっぱりこの組み合わせは、きっとわたしは永遠に好き。
パンとチーズの塩味と、素材それぞれの純粋な味しかしないようなサンドウィッチが大好きです。
食べていて、ひたすらもぐもぐとしてしまう、今食べているもののことしか考えられなくなってしまうようなサンドウィッチが大好きです。
さて今日は、ぼんやりな頭のまま、冴えない気分と体で、のんびり一日を過ごしています。
うすぐもりの空にぴったりな過ごし方です。
ではまたね。
チャオチャオ。
